2010-04-11

ポーランド大統領機墜落事故について

もうご存知の方も多いかもしれませんが、

ポーランド大統領レフ・カチンスキ氏を乗せた政府専用機の墜落事故がありました。

悲劇的な大惨事は、パイロットを含めた搭乗者96人が全員死亡。日本でも飛行機が墜落したまざまざしい映像もしくは写真を目にしたと思います。

ポーランドからロシアへと向かった一向の目的は、旧ソ連によるポーランド人虐殺の「カチンの森事件」70年の追悼式典への参加でした。

ポーランド国内、また国外にもショックの余波は大きく、Pa-pandaがポーランド人ということもあり、心配のメールを何通かもらいました。どうもありがとう。

kojisato&Pa-pandaも、たまたま朝ネットで見たEURO Newsで事故を知りました。ちょうど事故発生から30分くらいで情報の詳細が定かではないながらも、同居人モニも一緒にメディアをチェック。

ポーランドの家族の一大行事の一つであるイースターから一週間。突然の家族や友だちとの悲劇的な別れにkojisatoたちも胸を痛めています。

心よりご冥福を申し上げます。

実はこの事件に関して、色々とディスカッションしてました。

大統領夫妻と高官要人を一気に失ったポーランドの打撃と混乱は予想を超えるものかもしれないけど、これから新しい動きがあるかもしれない...ということ。

今、このことを1週間の喪に服したポーランドで報道すれば大問題になるかもしれないけど、ポーランドの政治構造、そして社会構造にいまだ根強くはびこる共産主義時代の名残。若い活動家の芽が年配者によって阻止されていたのも事実です。今回の事件で、根本的な何かが変わるかもしれません。

また、ロシアとポーランドの国交は決して非常に友好なものとはいえません。この「カチンの森事件」に関してのロシアの発言がポーランドとの議論の種になったりと、なかなかスムーズな関係ではないのです。カチンスキ大統領はこれまでも、色々な方法で意思表示をしてきました。実は、事件の数日前に行われていたポーランドとロシア共同式典には参加せず(首相に出席させる)、あえてポーランド主催の式典に参加するために向かったのが今回の参事となってしまったのです。

悪天候(濃霧)で、受け入れ側のロシアの空港は着陸を拒否。安全の為に他の飛行場へ着陸もしくは暫く待つようにと警告。ロシアの飛行機に対しては警告ではなく「禁止」が命じられた着陸。しかしながら、ポーランドの飛行機は大統領を乗せた政府専用機ということもあって「禁止」まで出来ず、「警告」のみ。政府専用機のパイロットは、もちろん国を切ってのエキスパート。濃霧での着陸の危険性も十分に承知していたと思います。それでも、着陸を強行したのはどうしてでしょうか?

実は以前にも同じようなシチュエーションに遭遇したポーランドの政府専用機。モンゴルへの訪問の際、同じく悪天候で着陸は危険だと警告される。それでも、着陸を強行するようにと命じたカチンスキ大統領。しかしながら、その時のパイロットは「安全」を第一に大統領の意向を聞かずに他の空港に着陸。その後、そのパイロット(もちろん国を切って最高の技術をそなえたエキスパート)は、クビ。

真実は、飛行機からブラックボックスが発見されればパイロットと空港の会話が残されているはず。

このkojiczuk-blogは、真相を解明するメディアの場というわけではないのでこれ以上の言及はさけますが、最後に...

この大惨事が起こったすぐ後には、被害者が大統領、大統領夫人、高官要人を代表に数字があげられていましたが、この中に「カチンの森事件」の被害者遺族も同乗していたこと。それがまたとても皮肉で、1週間喪に服しているポーランドのショックは計りきれないものだと思います。

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6 Comment:

wendy さんのコメント...

事故で亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

フランスでもトップニュースとして取り扱われました。
このような事故は、起きて欲しくないです。

kojisato さんのコメント...

wendyさん>世界各国の報道にトップに挙げられたことが、
モニにとっては驚きだったみたい。
飛行機の事故は、自分も飛行機での移動が避けられない
分、一番嫌いなニュースかも。起きてしまった後は、
全てが「たられば」だけど、本当に今後同じような
ことが起こらないことを私も願うよ。

あゆみ さんのコメント...

ははぁ!こうやって投稿するのね。
今までコメント残そうとしたが、残せず(汗)

このたびの事故、本当に残念なことでした。
私にとってポーランドはあまり身近ではない、
と思った瞬間、コジサトのことを思い出しました。
ご主人様、ご主人様のご家族も、さぞやご心痛の
ことでしょう。

心よりご冥福をお祈りいたします。

コジサトのブログを見ると、いろいろなことが
ありそうだね。これからのニュースに注目だね。

kojisato さんのコメント...

あゆみさん>なんだか、このBlogコメントの仕組みが
複雑ですかね?
色々と悪戦苦闘してくれてありがとう。
私も何かあるときに、色々な国と出会った人を思い出します。
色々な人と知り合うから、もっと世界が身近になるのかもしれない。
Pa-pandaは結構冷静。惨事にショックを受けた人は
多いけど、日本で報道されている角度とは違うものが
またポーランド人の中にはあるみたい。
私個人の意見だけど、報道というのは本当に便利だけど
恐ろしい。

今はとにかく、被害者の冥福とその家族や友だち
の気持ちを思うと心が痛みますね。

kaho さんのコメント...

kojisatoさん、お久しぶりです。
今、国葬論議の渦中、クラクフにいます。
どうしようか…と考えたのですが、2点だけ訂正させてください。
今回の犠牲者は当初の情報97人から96人に訂正されましたね。
それから、中盤「また、ロシアとポーランドの国交は…」の段落の「カチンスキ首相」は「カチンスキ大統領」のことですね。
最初は悲しみと祈りだけであった状態も、次のステップに進むためにいろいろな意見が出てきています。今はただ、6月の選挙まで、滞りなく、事が運ぶことを祈ります。

kojisato さんのコメント...

kahoへ>訂正どうもありがとう。
日本語の方もちゃんと気をつけないとね。ソースを
訳すことに集中して内容がおろそかだったね。
大変なときにポーランドの渦中にいることになったけど、
これもまた良い体験だと思うよ。
若いポーランド人の政治意識とか、その他社会の大きな
変動を外国人ながらも肌で感じると思う。