2010-05-29

スコットランドの最も不吉な戯曲


散々もったいぶって予告していたkojiczukの今週のお楽しみ。

Royal Lyceum Theatre Edinburghにて'The Scottish Play' ことシェイクスピア4大悲劇の一つ

`Macbeth'
マクベス

を観てきました。

「エディンバラでお茶を」のmichiさんによると、演劇関係者の中で'Macbeth'という言葉を口にすると不幸に見舞われるというジンクスがあるらしく、遠まわしに'The Scottish Play' ともいうらしい。

当日までにこの言葉を連発していたkojisato(汗)。演劇関係者じゃないから、バチあたらないよね><

シェイクスピア戯曲として演劇ではなく、ヴェルディ作曲のオペラ'Macbeth'を今回は観劇。

ヴェルディのオペラは基本「イタリア語」だし、実はシェイクスピア作品を読んだことなかったkojisato(恥)

当日、話の内容についていけるように「児童書」で予習。
対象としては小学校6年生くらい。

シェイクスピアの原作など、古典英語だし、スクリプト(演劇ようの台本)だからkojisatoにはチンプンカンプン。

このT. Bradmanによって編集されたMacbethは物語形式で話の展開がわかりやすく頭に入りました。

読み始めてから数ページ…kojisatoの衝撃連続。

「ワイヤー羽交い絞め3姉妹」改め、「3姉妹魔女」が戦帰りのMacbethBanquo(バンコー)に予言をあたえるところから物語が始まります。

ちょっとココからkojisato風に話をかいつまんで展開を説明すると…

魔女に、Macbethは将来Cawdor(コーダ)の領主になり、ゆくゆくはスコットランドの王になるだろう!と告げられ、人の予言を聞いたらツイツイ自分の将来も知りたくなってしまったBanquo「私の将来はどうなるの?」と尋ねると、「王にはなれないけど、王の父親になれる」という。

そうしたら、なんとMacbethがCawdorの領主になる予言が的中!

Macbeth的には「スコットランドの王になる」という予言に密かに胸膨らませます。

すでに予言の話を使いのものから聞いていたLady MacbethことMacbethの妻。

くしくもその晩、スコットランド王DuncanがMacbethの城に一泊訪問しにくるではないですか!

今の王はDuncan…でも予言は夫が王になると言われている。

さて、あなたがMacbethの妻ならどうしますか?

「私(わたくし)、王が明日の日の出を見れぬこと心から祈りますわ。」

話の展開は、現役Duncan王がいる限りMacbethは王座につけない=殺してしまえ!

という展開に。

しかし、DuncanとMacbethは近い親戚同士。また、日ごろからDuncanに良くしてもらっているMacbeth。心は揺れます。

それをさらにプッシュしたのが、妻でした。

道徳に反した悪行を行えば、そのしっぺ返しは必ずしも返ってくる…という教訓は万国共通で、その後、友人であったBanquoまで暗殺し、その亡霊に脅かされ、睡眠不足に恐怖観念。

これ以上ない出世コースをたどりながらも、精神的に追い詰められるMachbeth夫婦。

さて、その後Macbethの運命は…?

シェイクスピア作品の中でも異例の短編だと言われるMacbeth。話の展開も早いので、機会があったら続きを読んでください。



話は戻って観劇へ。

Royal Lyceum Theatre Edinburghは、1883年に建てられた4階建ての劇場で、658人収容できます。ちなみに、この建物でもお化けが出る噂があるとか(エディンバラ、そんなスポットばっかり)。

劇場前の道が工事中なので、上の部分を見上げる感じで…

メイン道路から少し入ったところにあるので、こんな劇場があることに今まで気づきませんでした。

今日の上演は休憩1回。10時10分に公演終了

と、掲示されています。

7時半開始なので、休憩込みで賞味2時間半強ですね。

kojiczukの座った4階席より。

イタリアオペラだから…と思っていたら、しっかり字幕装置(右手奥のスクリーン)がありました。

そして、上を見上げると…
シャンデリア!

kojisato、よくわからないけど、ホンモノかと思われます。

いや~、コレが落ちてきたら「オペラ座の怪人」なんて良くわからないことをいいながら開始を待ちます。

Music Boxを見て驚いたのが、アジア人奏者が一人もいない!

ドイツでは日本・中国・韓国…アジアからの音楽留学生の数は年々増えていて、留学後もプロと活躍する人多し。最近は、必ずといっていいほど楽団の中にアジア人もみるのだけど、少数編成のオーケストラは見た限り全員イギリス人という感じでした。そして、劇団員も。UKでの音楽留学事情はわからないけど、ドイツよりも厳しいのかな?

Macbeth役が、いかにもスコットランド人らしい様相の人で、ちょっと「王」の威厳には欠けたけど、それがまたちょっと爪でも噛んでしまいそうな不安定な性格がにじみ出てきそうでした。

そして、kojsiatoが読んだ本の挿絵にいかにも「逞しい」感じのLady Macbethがいたのですが、舞台の上にはものすごくスタイルのよい華奢な感じのLady Macbethが!

この悲劇、MacbethかLady Macbeth、どちらが主役?かというと、断然にLady Macbethですね。

男の出世の裏に妻あり…です。

4階建ての建物でオペラだからマイクなしで歌うのだけど、素晴らしい歌唱力でした。特にソプラノのLady Macbethに大絶賛。

「3姉妹魔女」は、3姉妹どころかたくさん!アルトで構成された合唱団。

それぞれに「魔女らしい」動きをするのだけど、それがまた面白かったです。

実はエディンバラに来てから初めてのオペラ。

ちょっとカルチャーショックだったのが、休憩時間にアイスを売りが登場。なんか、映画館みたい。

そして、カーテンコールのあっけないこと!

ドイツでもポーランドでも、そして数回しか観劇したことないけど日本でも、カーテンコール(最後の拍手喝さい)というのは、何度も降りたカーテンが開いて、手がパンパンになるまで叩いて上演者を絶賛するもの。

一度は幕が閉じたカーテンが上がったあと、出演者全員が舞台上に集まり、ソロが前の登場して、指揮者も呼び出され…

拍手喝さいのあと、カーテンが閉まって…

会場が明るくなった!

なんと、普段なら永遠に続くかと思われるカーテンコールがあっという間に終わってしまってビックリでした。これも、文化の違いなのかな?

久しぶりに、目で耳で、会場の雰囲気で…全身で体感できたオペラ。
月に一度、こうやって文化的なイベントも取り入れたいね…とご満悦のkojiczuk。

今回みたいに、予習をしてソレを生で見るというのも醍醐味。

劇中には割愛されたそれぞれの登場人物の葛藤とか、その他シーンが読んで、頭のなかにしっかりあるから、ただ観にいく以上に楽しめました。

もちろん、観劇の後はお決まりの討論会

帰宅後、ワイン片手にアノ場面が素晴らしかった。本に出ていたアノ場面が割愛されていたけど、実は…なんて熱く語って、しばらくMacbeth熱が冷めるまで起きていました。
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kojiczuk (kojisato & Pa-panda)

2 Comment:

wendy さんのコメント...

おおおっ~。
『マクベス』かぁ~。
日本で演劇としてみた経験があるよ。
どろどろとした人間模様にちょっと・・・って感じだった。

シャンデリアの写真を見て、私も『オペラ座の怪人』を思い起こしたよ。
テレビや映画とは断然違う、雰囲気と印象に驚く観劇(オペラ)。
エディンバラやUKは、充実していそうで羨ましい。

古典芸能等は、予習は必須やね。
するかしないかで理解度がぜんぜん違うもんね。

kojisato さんのコメント...

wendyさん>日本で観劇となると、なかなか敷居が
高くて…
コッチ(ヨーロッパ)に来てから、色々見るようになったよ。
フランスはバレエが有名だよね。劇場も有名なのが
たくさんあるし。
きっと同じように充実していると思うよ。
次回は同じ劇場で喜劇を見ようと計画中。
ドロドロの人間模様じゃなくてね:p