2009-04-21

親主催の幼稚園

kojsiatoが昨日からPraktikum(インターンシップ)を始めた「地下ネズミ幼稚園」は、非常に特殊な幼稚園であると言えます。

今日も、モーニングサークルの後は近くの公園へお散歩。

公園で子どもたちを遊ばせながらも、先生であるドローテに、この幼稚園のあらましについて聞きました。

1990年に発足された幼稚園。

実は発起者は、納得のいく幼稚園が見つからない親御さんたちでした。

初日ながらにカルチャーショックに近い驚きが隠せなかった、前の研修先と今の幼稚園の違い。

もし自分の子どもを幼稚園に送る日が来たら、自分たちの方針としっかりマッチする幼稚園を探さないと、エライことになる...とも思いました。

いずれも、どれが良いとか悪い...とかじゃなくて、方針の違いなので、合う合わないがあるはず。子どもを「こう育てたい」というビジョンが少なからずともある場合は、その幼稚園の哲学をしっかり予習しておくべきですね。

さて、最初は子持ちで有志のパパ&ママが場所を借りて、お互いに協力しあって子どもたちを納得して預けられる場所を作り上げていたものの、噂が噂を呼んで...

ココは、教育のプロを召還したほうが良い

という結論に達したようです。

もう1人の先生スザンネは、13年この幼稚園で働いているらしく、おそらくその経過を良く知っているはず。数年前からココで働くドローテからは、表面的な話しか分らなかったけど、1グループ(子ども18人)に先生が2人。経済的な面は、青少年の福祉事務をつかさどるJugendamt(少年局)による援助金や、親御さんからの毎月の月謝等で賄われているらしい。いわゆる、中小企業!?

親御さんが率先して幼稚園の運営に携わるという基盤は今も変わらず、6週間に一度は保護者会あり。他、週末を利用して園内の庭を整備したり...だから、子どもたちも自分の遊び場を作ったのが、パパだ!なんて思うとちょっと誇りみたいです:)

このドローテも、今まで他2つの幼稚園で働いて、やはりソレゾレだと言っています。

これはこの幼稚園だけじゃなくて、ドイツ全般にいえることだけど、幼稚園では社会能力(集団行動とか)や運動能力、言語能力の発達をサポートする感じになります。日本の幼稚園では、読み書き、簡単な計算もした覚えがあるので、ひたすら遊んでばかりの子どもにアレレ?という気持ちは隠せませんが、読み書き計算...は学校で学習するものとして、あえてカリキュラムに入っていないそうです。

保護者会だけじゃなくて、親御さん自身が、もしくは先生の方で何か目に付くことがあれば、個人的なアドバイスの時間ももうけます。

ドイツでは、「どもり」の子が少なくありません。他、言語発達が遅れているように見える子も、Logopädie(言語矯正)というのが一般的で、「遅れ」を「障害」と恐れて悩むご両親に適切な施設や方針を見せるのも先生の仕事。実際、子どもたちの発達はソレゾレで、いつかは皆同じようなレベルになるわけです。そこに親がヤキモキするのでなく、専門家の意見を聞いてみる。これは、我が子にレッテルを貼るというわけではなくて、とても大切だと思います。もちろん、気付いて対処が早ければ早いほど、子ども自身にとっても負担が少なくなるわけです(大きくなってから「どもり」等が治らないと、やはりからかいの対象になるし)。

幼稚園というのは子どもを預ける場所だけど、やはり教育の根本は家庭にあります。だから、親御さんも一緒に幼稚園の運営に携わるというのは、とても斬新で良いことだと思います。中には、「私はコレが出来る!」なんて提案してくれる親御さんもいるみたいで、そうなるとまた子どもたちの体験できることが増えますしね。

特に、「幼稚園期」というのは、人生で一番憂いなく楽しい時なのかも。

いずれ学校に入れば、宿題があり、競争があり、進路があり...kojisatoも振り返れば、就学時から今まで、明日、来週、来年に憂うことなくその時だけを楽しんでいた時期なんて、幼稚園ぐらいなのかな?と。そんな素敵な時期に、子どもの個性をどんどん伸ばしてあげて、それを一緒に経験できるって両親としてなかなかの醍醐味じゃないでしょうか。

だからこそ、親も運営に携わる幼稚園...なかなか面白いと思います。

明日、水曜日はお休み。kojisato、ちょっと大学生の顔に戻ります。

木曜日は、スザンネのお誕生日らしい。楽しみ:)